コラム

2019.02.04

ソフトコンタクトレンズと水道水

ソフトコンタクトレンズ(SCL)を水道水で洗ってはいけません。

水道水を使用すると浸透圧の違いからコンタクトレンズ(CL)の形状変形や、水道水に含まれる鉄・カルシウムイオンなどによるCLの汚れ、塩素による眼障害を発症する可能性があります。
日本の水道水は塩素消毒によって大腸菌に代表される病気の原因になる微生物は死滅・不活化あるいは除去されていますが、すべての微生物を取り除いた無菌の状態ではありません。
CLを水道水で洗浄することによって、水道水中残すところあと微生物で汚染される可能性があります。
特にSCLは微生物がハードレンズよりも吸着しやすい為、専用のケア用品で洗浄する必要があります。

水道水が原因で発症する角膜感染症の代表例がアカントアメーバ角膜炎です。
アカントアメーバ角膜炎は診断や治癒が難しい難治性疾患で、治癒しても角膜の混濁や不正乱視が残存して視力障害をおこします。
SCLを水道水で洗浄すると、水道水内に存在するアカントアメーバがCLケース内に持ち込まれ、ケース内で増殖してSCLに吸着します。
CLを水道水で洗浄して、そのまま水道水の中で保存する事が最も危険です。