コラム

2025.01.07

白内障と後発白内障の違いとは?

白内障は高齢者に多く見られる一般的な眼疾患で、視力低下を引き起こす原因の一つです。しかし、白内障手術を受けた方が経験することがある「後発白内障」という症状についてご存知でしょうか?今回は、「白内障」と「後発白内障」の違いについて詳しく解説します。

白内障とは?

白内障は、目の中にある「水晶体」が濁ることで、視力に障害が生じる病気です。水晶体は透明なレンズのような役割を果たし、光を正確に網膜に届けるために必要不可欠な部分です。しかし、加齢やその他の要因により水晶体が白く濁ってくると、視界がぼやけたり、明るい場所での視力が低下したりします。

 

白内障の主な症状:

  • ○視界がかすむ、ぼやける
  • ○眩しさを強く感じる
  • ○色の見え方が変わる
  • ○夜間の視力が低下する

 

白内障の治療方法:

現在、根本的な治療法として白内障手術が行われています。手術では濁った水晶体を取り除き、人工のレンズ(眼内レンズ)に置き換えます。これにより、視力の改善が期待でき、患者の生活の質も大きく向上します。

 

後発白内障とは?

「後発白内障」とは、白内障手術後に生じることがある症状で、元の白内障とは異なります。手術によって濁った水晶体は取り除かれるため、白内障そのものが再発することはありませんが、眼内レンズの後ろに残した「後嚢(こうのう)」が濁ってくることがあります。これが「後発白内障」と呼ばれる状態です。

後発白内障の主な症状:

  • ○白内障手術後に再び視界がぼやける
  • ○視力の低下
  • ○光の眩しさを強く感じる

後発白内障は、一般的には白内障手術後数か月から数年以内に発症することが多く、すべての患者が経験するわけではありませんが、高齢者には特に多く見られる症状です。

白内障と後発白内障の違い

項目

白内障

後発白内障

発生場所

水晶体

後嚢(眼内レンズの後ろ)

原因

加齢、その他の要因

白内障手術後の後嚢の濁り

主な症状

視界のかすみ、眩しさ

再度の視界ぼやけ、眩しさ

治療方法

手術(白内障手術)

レーザー治療(YAGレーザー治療)

再発可能性

なし(手術で除去)

手術後に発生することがある

後発白内障の治療方法

後発白内障は、通常の手術を再度行う必要はありません。治療方法として「YAGレーザー治療」が一般的で、濁った後嚢部分をレーザーで切開し、視力の回復を図ります。この治療は短時間で済むため、入院の必要もなく、患者にとっても負担の少ない方法です。YAGレーザー治療により、多くの場合、すぐに視力が改善します。

まとめ

白内障と後発白内障は、共に視界に影響を与える症状ですが、発生場所や原因、治療方法に違いがあります。白内障手術を受けた方で視界に再びぼやけを感じる場合は、後発白内障の可能性が考えられますので、早めに眼科医の診察を受けることをおすすめします。