コラム

2025.05.02

眼科医が教えるドライアイ治療の最新情報

ドライアイは現代社会で多くの人が悩む目の不調の一つです。長時間のパソコン作業やスマートフォンの使用、エアコンによる乾燥など、日常生活の中で目が乾燥しやすい環境にさらされています。この記事では、最新のドライアイ治療情報を眼科医の視点から解説します。

■ドライアイの原因と症状

ドライアイの主な原因には以下があります。

          • 涙の量の減少:加齢やホルモンバランスの変化によるもの。
          • ・涙の質の低下:涙が蒸発しやすくなることで、目の表面を十分に潤せなくなる。

        ・外部環境の影響:空気の乾燥や長時間の画面注視など。

      • 症状としては、目の乾燥感、異物感、かゆみ、視界のぼやけ、さらには目の疲れや痛みが挙げられます。放置すると角膜に傷がつく可能性もあるため、早めの対策が重要です。

        ■最新の治療方法

                      • 1.点眼薬の進化
                          従来の人工涙液に加え、最新の点眼薬は目の炎症を抑え、涙の質を改善する効果があります。ヒアルロン酸配合の点眼薬や免疫抑制剤を使用した製品も注目されています。
                      • 2.IPL治療(光線治療)
                        IPL(Intense Pulsed Light)治療は、もともと皮膚治療で使われていた技術ですが、マイボーム腺機能不全に対して効果があることが分かり、ドライアイ治療にも導入されています。光を当てることで涙の蒸発を防ぎ、目の潤いを保ちます。
                      • 3.リップフロー療法
                        リップフローは、加温とマッサージによってマイボーム腺の詰まりを解消する治療法です。これにより涙の質が改善されます。特に慢性的なドライアイに効果が期待できます。
                      • 4.MGD(マイボーム腺機能不全)の治療
                        マイボーム腺機能不全(MGD)はドライアイの大きな原因となります。この症状に対処するため、まぶたの清潔を保つことが重要です。専用のクレンジング製品を使うことで油分バランスを正常に戻すことができます。
                      • 5.生活習慣の改善
                        最新の治療だけでなく、日常生活でのケアも重要です。
                      • ・20分ごとに目を休ませる「20-20-20ルール」
                      • ・室内の湿度を保つ

                    ・画面の高さや距離を調整する

                    ■自分でできるセルフケア

                                          • ・ホットアイマスク: 血流を良くして目をリラックスさせます。
                                          • ・まばたきエクササイズ: 意識的にまばたきを増やすことで涙の分泌を促します。
                                          • ・まぶたのケア: 専用のアイクレンジングでまぶたの油分バランスを整えましょう。

                                        ・ブルーライトカット眼鏡: スクリーンからの刺激を軽減します。

                    ■おわりに

                    ドライアイは放置すると日常生活の質を大きく低下させる可能性があります。最新の治療法を取り入れながら、適切なセルフケアを続けることで、症状を効果的に改善できます。目の不調を感じたら、早めに眼科医の診察を受け、最適な治療法を選びましょう。